さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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さくらプロジェクトとは

2012/04/01 15:41 ジャンル: Category:さくらプロジェクトについて
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メーモン村の大家族

このような事情のなかで、さくらプロジェクトは1991年に立ち上げられました。その目的はまず、信仰の如何にかかわらず、教育機会を与えられていない子どもたちが教育を受けられるように支援すること、山地民の伝統的な文化を保持し、守るために応援することです。

1990年、さくらプロジェクトの代表である三輪が、芝浦工業大学の名誉教授畑聰一とチェンラーイの地で出会いました。三輪は当時、フリーの写真家として、タイ北部の山地民の村を3年以上かけて回っていて、山地民の言葉や文化にも精通しており、畑教授は専門である建築計画学の研究の一環としてチェンラーイ県のアカ族の集落調査をすることになり、その折に三輪がコーディネーターとして同行することになったのです。そのとき修士の学生として同行した清水郁郎君(現・芝浦工業大学准教授)が、今ではさくらプロジェクトの事務局長をやってくださっています。 

 
その第一回目の調査ときに、アカ族のメーモン村というところで村人から「子どもたちが教育を受けられるようになんとか助けて欲しい」と懇願されたのが、このプロジェクトを立ち上げる直接のきっかけになりました。当時、三輪は東京で会社を経営されていた故・中村清彌氏からミャンマー国境周辺に住む人々のための支援活動資金供与の申し出を受けており、チェンラーイのナムラット村(チェンラーイの町の中心部から約4キロのところにあります)に、山の子どもたちのための通学用寄宿舎を建設することを提案しました。

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初代さくら寮(現在は使われていません)


このナムラット村にはユナイテッド・ヴィレッジ・スクール(現在の公称はサハサートスクサー・スクール)という私立の小・中学校がありました。60年ほど前にキリスト教の財団によって設立された学校で、学校内に寄宿舎があり、タイ北部全域の村からやってきた山地民の子どもたちがここに寄宿しながら勉強をしていました。当時500名ほどだった児童生徒の9割以上が山地民の子どもたちで、そのほとんどが親元を離れて寮で生活する寄宿生でした。学校の周辺にも欧米などが支援を受けたNGOの運営する寄宿舎がいくつかあり、住民も山地民やNGO活動に理解がある村でした。


三輪がここの校長先生と知り合いだったこともあり、このナムラット村に自分たちの手で寄宿舎を建てることになりました。中村氏の個人的な資金提供(約300万円)と、芝浦工業大学畑研究室をはじめとするボランティア学生たちの協力によって、1991年3月、さくら寮の建設がスタートしました。そして1年後の1992年5月、さくらプロジェクトの最初の寄宿舎である「さくら寮」が完成したのです。 

1992年5月、第一期生58名が入寮してきました。

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以来20年の間に、さくらプロジェクトは、15を超える施設の建設、寮運営のほか、学校校舎の建設、水道敷設、古着屋日用品の配布などさまざまな支援事業を展開してきました。寮の卒業生も350名を超えています。
そして2011年には設立20周年の節目を迎えました。20年間の歴史については「さくらプロジェクトの20年を振り返る」や「さくらプロジェクト活動年表」をご覧ください。

20年という年月の中で、タイ社会の状況も、タイの山地民の置かれた状況も、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化してきました。20年前は、山地民の人々の中で経済的に豊かな人はほんのひとにぎりで、おしなべて貧しく、財産もほとんどもっていませんでした。しかし、最近では、しょうが、果物、コーヒーなどの集約栽培で成功し、中には平地タイ族の人々よりも経済的優位に立つ農家も出現しました。またタイ社会の経済発展の結果、山地民の就業機会は広がり、雇用条件なども向上、山地民の人々の生活も全体としては底上げされつつあります。

13_R.jpg

しかし、支援の必要な子どもたちがいなくなってしまったわけではありません。経済格差はますます広がり、また急速な都市文明の流入やテレビ、インターネットなどのメディアによる都市の若者文化の浸透によって、子どもたちの心にもひずみが生じています。伝統的な共同体や文化、民族としてのアイデンティティーの喪失、家庭崩壊による子どもたちの心の荒廃など、新たな問題も出現しつつあります。さくらプロジェクトの課題も「経済面重視の支援」から「教育の質の向上」へとシフトしつつあります。
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プロフィール

三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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