さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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保護者会

2006/12/15 18:32 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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保護者会でのアカの子どもたちのステージ

先日、さくら寮にて、寮生たちの毎年恒例の保護者会と親睦会が行われた。出席率はかなりよくて、140名、約95%の保護者がั山の村からはるばる寮まできてくれた。寮生活における子供たちの諸問題について、スタッフが話をする。

最近の寮内での最大の問題と言えば、学年途中で勉学をやめて退学、退寮してしまう寮生が年々増加していることである。原因、理由はさまざまだが、年長の寮生の場合、圧倒的に多いのはボーイフレンド、ガールフレンドができて、門限破り、無断外出・外泊などをするようになり、やがて不純異性交遊に進展したり、妊娠が発覚したりして、退寮処分にせざるをえなくなるといったケースだ。小学5年生の女子だって一人前にボーイフレンドがいることを吹聴するのがタイである(テレビドラマの見すぎ)。しかも相手は同級生なんてかわいらしいもんでなくて、大学生だったり社会人だったりする。

hogosya.jpg 保護者会の様子

15年前にさくら寮を始めた頃、寄宿舎はタイ社会とも地域とも、ある意味で隔絶されていた。寮の外はコン・ムアン(平地タイ族)の社会だったし、山岳民族出身の寮生は、自分たちの村から一度も出たことがないような子どもたちばかりだったから、寮を一歩出れば誰一人として友達も親戚も知り合いもはいないし、村からも本人の保護者以外は訪ねてくる人はなかった。子供たちは寮と学校、または村と寮を往復する以外に行くべき場所がなかったし、関わるべき人もいなかった。保護者が子供にあげる小遣いもわずかなもので、寮生たちも遊ぶお金も町へ出る交通費もなく、町へ遊びに行くことなど考えもしなかったのである。非行の余地すらなかった(せいぜい村に帰ったときの恋愛問題があるぐらいだった)。誰も携帯電話などもっていない時代だったし、電話で連絡するような相手もいなかった。素朴で素直な子供たちを指導するのは困難なことではなかった。

しかし時代は流れ、タイの地域経済も成長をとげ、今では山岳民族の人々にもそこそこ経済的な余裕が出てきた。子供に少なからぬ小遣いも渡せるようになった。こっそりと携帯電話などを買い、外部と連絡をとる子供も出てきた。高校にあがり、町の学校に通うようになれば、町にすむタイ人の知人、友人も増え、考え方や価値観、ファッション、物質文明の影響も大きく受けるようになる。友達がデジカメやヘッドホン音楽プレーヤーをもっていれば自分もほしいと思う。

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保護者面談にのぞむ親子

寮周辺の環境も激変した。山岳民族にも教育の必要性が叫ばれるようになって、さくら寮のような管理の比較的厳しい寄宿舎ばかりでなく、自己資金により学校近くの民家や民営のアパートなどに寄宿生活をはじめる生徒も現れた。NGOの支援を受けられないアパート暮らしはお金がかかるが、一方で寮生活にはない自由がある。山の村からチェンライの町へ出稼ぎに降りてきて、借家生活をする若者も増えた。さくら寮のあるナムラット村にも、そうした寄宿学生、労働目的の借家生活者が急増した。多くは未婚の若者である。そういった若者たち(特に男性)が、寮の女性徒を口説きにしばしば訪れるようになった。女子寮の門の前が男の子たちのバイクだらけになる日もある。寮生のほうも、彼らと交際するために夜中に無断で寮を抜け出したり、自由な生活に憧れてさくら寮をやめ、アパートに移ってしまうというケースも出てきた。逆に言えば、そうして自立して自助生活ができるほどに親の経済力があがったということの証なのであろうから、それはそれで支援する必要もなくなったと思えばいいことだが、なかには、アパート暮らしをしたいために、夜の怪しいアルバイトに精を出したり、お金持ちのお妾さん状態になって学費を貢がせている女子学生も多いと聞くので、心配になる。

そんなわけで、今の時代に、昔ながらの厳格な寮則で管理する寄宿舎の運営はとても困難なものになりつつある。

 さて、固い話になってしまったが、保護者会ではふだん子供たちの寮生活を見る機会のない保護者たちのために、ちょっとした学芸会のようなものも行われ、子どもたちがふだんから練習している演芸を披露した。例によって民族ごとの踊りとモダンなディスコダンスやチアリーダー風の二本立てである。

ところが、いつも超ミニスカート姿で元気に腰を振りまくっている小学校6年生のSちゃんが、本番を前にしていつになく緊張している。どうしたんだいと聞くと、「あたし、寮生や友達の前で踊るよりも、お父さんの前で踊るほうが恥ずかしくて、緊張するんです」と言う。ああ、そういうものなのかもしれないと思った。


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クリスマス会での余興

 話は違うが、以前、リスの女の子たちに、「友達の前でうっかりオナラしてしまうのと、親の前でオナラしてしまうのとでは、どちらが恥ずかしい?」と質問したとき、彼女たちは「そりゃ親の前のほうが恥ずかしいわ」と言っていたのを思い出した。

多くの日本人は逆なのではないだろうか。私が育った家庭なんか、父親は朝の食事時からして爆音をたてて屁をこきまくり、家族の皆から「屁りコプター」とあだ名されていた。息子たちも負けじと尻を突き出して父親に応戦したものだが。(ひょっとして我が家だけだったのか?)


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写真:2006年12月にも寮内クリスマス会が盛大に行われた。ふだんおとなしい寮生たちも、この夜ばかりは人が変わったようにはじけまくった。
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プロフィール

三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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