さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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なぜベストを尽くさないのか

2011/12/20 01:25 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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「なぜベストを尽くさないのか(Why not the best?)」

とは第39代アメリカ大統領ジミー・カーターの座右の銘で、氏の自伝のタイトルにもなっている。

ときどき寮生にその言葉を投げつけそうになる自分に、20年以上もタイに住んで身も心もタイ人化したつもりになっていても、「三つ子の魂百まで」の諺どおり、やはり日本的教育の影響や日本人的価値観から脱しきれていないと感じることが多々ある。

もともと私は集団的な規律とか堅苦しいことが性にあわず、出世願望や上昇志向こそが諸悪の根源とばかりに大学を出て早々とドロップアウトし、仕事も自由業を選び、朝寝坊、夜ふかしし放題、いつもTシャツにGパン、短パン姿のサバーイな格好で生活をし、ゆるゆる礼賛の人生を実践してきた。歯を食いしばってがんばるなんてシチュエーションとも無縁だった。だが、その私のさらに上手をいくさくら寮生たちのゆるい生きざま、というか生活態度を目の当たりにすると、つい「喝!」を入れたくなってしまうのだから、人間勝手なものである。

たとえば。12月初旬、さくら寮で、日本からの支援を受けて山岳民族の生徒寮を運営するタイ北部の三つのNGOの子どもたちが集まって恒例の寮対抗スポーツ大会が行われた。寮生相互親善を深める友好スポーツ大会とはいえ、寮を代表する選手たちが寮の名誉をかけてしのぎを削る真剣勝負の場でもある。しかし、どうみても寮生たち(とくにわがさくら寮の生徒たち)にぴりっとしたところがない。

チア・リーダーのダンスが全然そろっていないのはまだご愛嬌だが、違和感を覚えるのは、400メートル走とか800メートル走とかの中距離走のレースなどでよくみられる、ある光景だ。1位、2位を争う選手たちはそれなりに必死の形相でしのぎを削ってゴールインしているけれども、大きく引き離されたり、途中ですっ転んだりしてもはや入賞の見込みがない選手は、照れ隠しのつもりか、へらへらニヤニヤしながらわざとゆっくりと走ったり、ついには途中でトラックをはみ出して棄権してしまったり、まったく真剣味がない。こういう光景を見ると、ついイラっとしてしまうのである。

小学校の頃、体育の授業なんかで先生によく諭されたものだ。「どんなに負けていたって最後まで全力で走りぬけ! それがスポーツマン・シップというものだ。最後まであきらめない気持ちこそが、これからの人生に役立つ。人間、気力だ、根性だ」なーんて。

ところがこっちの子は、勝負がついてしまったレースで、まだ必死に走るのはカッコ悪いと思っている。カッコ悪いのみならず体力の無駄だとさえ感じているかもしれない。本当は3位と順位なしでは、意味も違うはずなのだが。

では、彼らがこだわっているのは勝負なのかというとそうでもない。球技にしても短距離走にしても、勝つために作戦を練ったり、寮内で選考会を開いてベストメンバーを選出するなんてことはいっさいしない。監督もコーチもいない。
そもそも真面目に練習なんてしてなかった。試合直前になってテキトーにメンバーを決めて、普段外で遊んでさえいない下手な奴が厚かましく先発出場し、ミスりまくってニヤニヤしている。おい、そんなんじゃ一生懸命練習してきた相手チームに失礼だろうが!

要するに、勝敗にもベストを尽くすことにもこだわっていないのかな。


スポーツ大会1 
全然揃ってないさくら寮生のチア・リーディング

スポーツ大会2 
こちらはモン族の生徒寮のみなさんのダンス。



昔、ロス五輪の女子マラソンで、スイスのアンデルセン選手が競技場に入ってから脱水症状で朦朧となり、最後は痛々しい姿でゴールしたけれども、ああいう姿に本気で感動して涙する人ってタイには少ないんじゃないかと思ってしまう。

そういえば昨年の広州アジア大会の陸上4×100メートルリレーで、日本男子チームは第2走者と第3走者の間でバトンパスに失敗して、次走者に渡せないままオーバーランしてしまった。この種目でこんなむごいミスをしたらもう最下位は決まったようなもんだけど、二人の走者はちゃんと規定のリレーゾーンまで戻ってバトンを受け取り直し、アンカーも最後まで走り抜いてビリでゴールした。さすが日本人チームだなあと思った。日本以外のチームだったら間違いなく途中で棄権しているケース。無理して走って足を痛めたりしたらなんの得にもならないし、とか。小学校の運動会から国際大会まで、日本人のスタンスは変わらない。駅伝のタスキリレーに象徴されるように、チームプレーでは決して棄権しないし、手を抜かないのだ。

サッカーのアジア杯だったか、予選リーグでの勝ち抜けが決まっていた日本が某中東の国と対戦したとき、すでに予選敗退が決まっている相手チームはまったくやる気がなかった。モチベーションが上がらないのは当然とはいえ、日本のチームが逆の立場だったら、「最後に一矢報いて意地を見せてやるとか」「今後のために頑張ろう」とか言って、ベストを尽くすだろうし、そもそも無気力な試合をしたら、サポーターから水でもぶっかけられるのは間違いない。自分より強い相手にも弱い相手にも、全力でぶつかる、それが日本人の礼儀であり、美徳である。

なんてこんなことをダラダラとぼやいているようじゃあ、そろそろ日本が恋しくなってきたということなんかな。 


スポーツ大会3 
日本人ボランティアも多いNGO同士の大会で、玉入れも行われた。
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[2012/04/29 03:06] まとめwoネタ速suru
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三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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