さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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人生いろいろ結婚いろいろ

2011/01/15 00:34 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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年末はひさしぶりに休暇をとってミャンマーのチェントンに行ってきた。メーサイからタチレクに入り、イミグレで入域許可証をとり、バスに4時間揺られていくのだが、おととし頃からシステムが変わって必ず全行程、ミャンマー人のガイドを同行させなくてはならなくなった。お金もかかるし、いつも監視されているようで、なんだかなあという感じである。(といってもガイドは三食昼寝付きで、ゲストハウスで昼寝していただけだが)

しかし今回はチェントンの話ではない。

12月31日、5日間のミャンマー旅行を終えて午前中にチェンラーイに戻ってきたら、留守番をしていたスタッフのTが開口一番こう報告した。

「さっき卒業生のオロタイから電話があって、今日、午後から村で結婚式をあげるから万障繰り合わせて出席するようにとの伝言です」

 出席するように、って。唯我独尊のリス族らしい命令口調である。

 オロタイ・レトゥはさくら寮の一期生で、リス族の女性。一期生とはいってもさくら寮に入ったのが6歳のときだから、今もまだ若くて24歳だ。2年前に大学の観光学部ホテル学科を卒業して某リゾートホテルに就職している。小柄だがとても朗らかで快活な女性である。

 おいおい、今日の午後からの結婚式に、当日の午前中のご招待かよー。しかも電話で。それに今日は何月何日だ。タイでもとりあえず今年最後の日だぞ。日本じゃ大晦日に挙式するカップルなんてみんなから「空気の読めないカップル」として、一生ネタにされること間違いない。

 まあタイの場合西暦の新年は、年が変わるカウントダウンの前後数時間にわたって爆竹やら花火などを派手にぶち上げて、酒をくらって近所迷惑も考えずどんちゃん騒ぎするぐらいが関の山で、日本ほど文化的に重要な意味はないのだろう。どさくさにまぎれて結婚式をあげるカップルがいてもなんら不思議はない。まあ大晦日はいいにしても、せめて1週間ぐらい前に知らせてくれたっていいじゃないか! 

 などとぶつぶつ文句を言いながらも、やはり卒業生が結婚式に招待してくれるのはうれしいものだ。ミャンマーでタイヤイ族の村などを歩きまわって疲れ切った肉体に鞭打ち、スタッフとともに車で1時間ぐらいのところにあるホイサン村に出かける。

オロタイ家の界隈にはすでに村人が集まっていて宴会の準備が始まっていた。リス族では村の中で披露宴をする場合、親類やご近所の各家からひとりずつ料理や皿洗いなどの労働力を供出しなければならない。村人たちも「寝耳に水だ」などとぼやきながら、それでも淡々と米を炊いたり、大鍋を洗ったり、豚肉をぶった切っていた。まだ若い村長も「今朝知らされた。俺だって村人だって何の準備もしてねえーよ」と口をとんがらせている。

なんと新婦の両親も二人の結婚を知ったのは前日のことだという。

 宴会に使う豚だけはちゃんとこの日のためにオロタイ家で飼われていたので問題はないが、酒、ソフトドリンクその他の食料は午前中、親戚一同であわただしく市場に買出しに行ったという。

 新郎新婦はふたりともバンコクで別々の会社で働いているのだが、建設会社で現場監督をやっている旦那が仕事の関係で年末からチェンラーイに出張することになって、オロタイも年末年始の休みがもらえた。最初はこの機会に新婦の親に挨拶して結納の儀でもすませておこうという話だったが、結局、面倒くさいからこの際式も挙げちまおうと、この能天気なカップルは前日の夕方、バンコクのモチット・バスターミナルあたりで決心したらしい。さっそく双方の両親に「明日結婚するからな」と電話を入れた。

  新郎の出身地であるウボンラチャタニー(カンボジアの国境近くである!)から15時間かけて一族郎党を乗せたマイクロバスが到着したのは翌日の夕方、つまり披露宴もほぼ終わって私たちがオロタイの家を去った後らしい。いやはや人騒がせなカップルだけど、ふたりとも明るく冗談が好きで、とても気が合うカップルのようだ。

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こういう言い方も変だが、このふたりの結婚はいたってノーマルな部類である。寮生の中には何が何だかわからないうちに結婚していたというケースがいくらでもある。

数年前、当時さくら寮にいたモン族の15歳の少女Sが正月のために数日間村に帰っていた。モンの正月が終わっても寮に戻ってこないので心配していたら、同じ村出身の寮生からSはもう結婚したとの情報が。Sはある夜、新郎の友人たちによって突然拉致され、新郎宅に監禁されそのまま結婚することを余儀なくされたのだという。いわゆる「嫁さらい婚」というやつで、当人同士納得済みに場合もあれば、男性のほうが一方的に目をつけた相手を強引に連れて行ってしまうケースもある。Sの場合も最終的には合意となったけれども、特に意識もしていなかった相手に、まったく唐突に連れていかれたらしい。日本なら未成年者誘拐の重罪である。いまだにこんな風習が残っていたのか。

ま、民族もいろいろ、結婚もいろいろである。

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写真1:新郎26歳、新婦24歳、お幸せに。
写真2:結婚式はいたってシンプルに行われた。
写真3:リス族の宴席。
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三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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