さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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活け花・さくら流

2011/11/23 01:22 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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ロイクラトン
チェンラーイのローイクラトン。今年も寮生たちが自作のクラトンをメーコック川に流した。


今年の11月は寮への来訪者が多かった。観光シーズンで、ローイクラトンなどの祭りがたけなわのせいもあるが、今年は洪水の影響でバンコク観光を断念して、北部に退避してきた日本人のかた、それからバンコクで大学に行ったり就職していて休学・休業状態になり、一時帰省した卒寮生も多かった。

11月の中旬には里親のMさんとその友人のKさんが来寮。Kさんといっても先日来このコラムで登場しているさくら寮ボランティアのK嬢(21歳)ではなく、別のKさんである。

ちなみにボランティアのK嬢も健在で、先日は寮の近くにあるリムコックリゾート・ホテルのプールに泳ぎに行って、すべり台から「ひゃっほー」と勢いよく水の中にすべり飛び込んだのはいいが、ビキニの水着の上の部分がすっぽりと全部脱げてしまい、気がつくと生まれたままの姿でぽっかりと水面に浮いていたとか、あいかわらず爆笑ネタを供給してくれている。

話がそれたが、今回はそんなK嬢の白昼の惨劇の一部始終の報告ではなく、日本からやって来たKさん(こちらは既にお孫さんもいる品のよい熟年女性)の話である。Kさんはいつも日本で古着を集めて送ってくださっているさくらの支援者のひとりで、今回初めてさくら寮を訪問され、4日間、さくら寮のゲストルームに宿泊して子どもたちと交流してくださった。

さくらプロジェクトの訪問者からはたいてい『子どもたちの笑顔が素敵ですねえ』とか、『目がきらきらして、澄んでますねえ』とか、社交辞令も含めた褒め言葉をいただくことが多いけれども、Kさんは日本で池坊流の華道の先生をやっておられるというだけあって、しつけや作法の面から子どもたちを見る目がなかなか厳しかった。
指摘の第一点。まず、靴の脱ぎかたがなっていない。

寮生たちは普段サンダル履きだが、寮の中に上がるとき、入口に無造作にサンダルを脱ぎ捨てたままにする。手で揃えるということをしない。俯瞰するとサンダルの群れが入口に向かって放射状に広がっているイメージだが、なかには駆け込んできたその歩幅のままの状態で、ばらばらに脱ぎ捨てられていたりする。もっとひどいのは、他人のサンダルの上に二段重ねで脱いである。

「日本では、靴を脱いだら玄関のほうを頭にして置くんですよ。まあ日本とタイとは礼儀作法も違うから、そこまで日本式に従えとは言わないけれども、せめて履物はきちんとそろえて玄関の脇に並べておくぐらいのことはしたほうがいいですね」

確かにおっしゃるとおり。子どもたちは足元にはきわめて無とんちゃくである。足元に人格がないというか、足元から下は原始共産主義、いや無政府状態というべきか。私たちスタッフの履物も、ちょっと油断すると消えてなくなっていることがある。誰かが軽い気持ちで履いていって、元に戻さないのである。寮内は広く、靴を脱ぐ場所もたくさんあるので、苦労して探しまわった末、とんでもない場所で発見したりする。まるで銀行強盗後に乗り捨てられた盗難車のような状態だ。靴だけではなく、傘、文房具、アイロンなどすべて同様で、一度借りていくとなかなか戻ってこない。

指摘その2。ご飯を食べ残して捨ててしまう子が多い。これは私もスタッフも以前から気になっていて、しばしば注意もしている。食べきれないと思ったら最初から盛りを少なくしておけばいいのに、そこまで配慮しない。お金がない、貧しいというわりには、食べ物や公共物を粗末に扱う。山の村へ行っても水やご飯は意外にぞんざいに扱われているように感じたことがある。村では残飯は家畜の餌になるので無駄にならないのかもしれないが、寮では捨てる以外にない。村では水は山から引いてきたものでいくら使おうが無料だけれど、寮では電気代(地下水をポンプで汲み上げている)や水道代がかかるのだ。しかし子どもたちは山での暮らしの価値観や常識をそのままもちこんで使っている。これではとうてい大きな社会の規則には適応していけない。

などなど、Kさんの指摘はいろいろ耳が痛い部分もあったが、私のようにかなりタイ人化が進んでいる日本人がすっかり忘れ、当たり前と思うようになってしまった習慣に対する指摘も多々あり、とてもありがたいことだ。

さて、休日の午前中、Kさんの指南で、「いけばな」に挑戦することになった。

iekebana1.jpg 
いけばなに挑戦中の子どもたち。 


使用する草花は各自で寮の内外に生えているものを調達し、器は寮内にある花瓶やバスケット、コップ、ペットボトル、竹筒と、ありあわせのものを使用。ただし寮の周辺で手に入りにくい花はチェンラーイ市内の花市場でも購入した。

さくらホールに寮生全員が集まり、5人ひと組みのグループに分かれてスタンバイし、まずはKさんの簡単なレクチャーを受ける。

「いけばなは礼儀作法を重んじます。挨拶が大切です。始める前はおはようございます、よろしくお願いします。終わったら、ありがとうございました、を忘れないでね。お花は活ける人の心を映します。楽しい心で活けてくださいね」

寮生たちが花を活けはじめて数分後、Kさんから最初のダメ出しが。

「いけばなは足し算ではなくて引き算です。よくばってびっしり活けすぎないようにね」

「空気や季節を感じられるように、風が抜ける空間をあけてくださいね」

確かにチェンラーイの花市場で売られている贈答用のお花の盛り合わせは、たとえていえば、大衆食堂のフライ盛り合わせ定食のように満腹感だけをアピールしたようなものが多い。子どもたちもフラワーアレンジメントというと、そのゴージャスなお花盛り合わせのイメージしかないのだろうか、ついついてんこ盛りになりがちだ。

だが、Kさんの指導の成果もあって、約1時間後にできあがった約20作品の中には、なかなかユニークなものもあった。けっこう前衛的なのもあるぞ。おー、みんなけっこうやるじゃないか。

ikebana3.jpg 
優秀作に選ばれた作品

ikebana4.jpg 
これまた独創的な作品。


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プロフィール

三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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