さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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第6回日本研修

2009/05/28 19:49 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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日本へはもちろん民族衣装も持参した。



 4月22日から5月8日まで、さくら寮生女子3名(高校生2名、専門学校生1名)を引率して、日本研修旅行を敢行した。寮生訪日は1~2年に一度実施しており、今回で6回目である。

静岡を皮切りに、東京、岐阜、大津、京都、豊橋と16日間で6つの都市を訪問し、支援者のお宅をホームステイして歩くというかなりの強行日程だったが、支援者のみなさんによる綿密な計画、厚いおもてなしと心配りのおかげで、トラブルもなくスムーズに日程をこなし、豚インフルエンザ騒ぎが拡大する寸前に滑り込みでタイに戻ってきた。

 以前にも書いたが、寮生たちの日本の文化体験で一番大きな障壁はなんといっても食事である。各ホームステイ先では、限られた日程の中で最大限のもてなしをということで、家庭料理、外食にかぎらず最上級のご馳走でもてなしていただいた。懐石ありバーべキューあり、寄せ鍋にすき焼きあり、寿司にうなぎに天ぷら、刺身もありという具合で、毎日がフルコースの宴会状態である。久しぶりに日本に帰る私としては。連日ご機嫌な食卓の連続だったが、寮生たちにとっては「猫に小判」で、ほとんど手がつけられない。味つけが甘すぎる、唐辛子かナムプラー、ガピのいずれかで味つけされていないというだけで、、値段を聞いたら目の玉が飛び出るような豪勢な食事も、彼女たちにとっては無価値な食べ物となるのだ。(まあそのおかげで彼女たちが残したご馳走の数々は私の胃袋に収まり、毎日見る見る間にただでさえ出ているお腹がさらに出っ張り、帰国時には4キロ太っていたのだが)

お一人様1万円の京懐石コースも「甘い」「味が薄い」のひとことでスルー。あげくに「ママー(タイ製乾燥緬)が食べたい」「ソムタムが懐かしい」などと言い出す始末。旅も10日目にさしかかったあたり、あるタイ通のかたから、タイで仕入れてきたというインスタント緬約1ダースをいただくと、飢餓感はよほど限界にきていたのだろうか、その日の夜中にボリボリと生のままかじりはじめた。そして「日本にきてこれが一番おいしく感じた」とのたもうた。さすがに彼女たちの食体験の貧しさと保守性に、哀しみすら感じてしまった。

タイのロング・ステイヤーのなかにも、「最初はあのパクチーの匂いが鼻につくタイ料理にまったく手がつけられなかったよ」というかたがいらっしゃるようなので、異文化世界の食に対する抵抗感はタイ人に限ったことではない。それでも日本人の場合は、もう少し味覚に対する守備範囲は広いような気がする。生まれたときから和食はもとより、洋食、中華、イタリアン、インド料理、アメリカのジャンクフードにいたるまで世界中の料理になじんでいる、そのキャリアの差は大きいのではないか。まあ、豚も牛も鶏も羊も生魚も鯨も鰻も蛸もなまこも昆虫も納豆も昆布も山菜も食べてしまう日本人ほど雑食の民族はいないのかもしれないが。

幼い頃から食べつけていないものは、どんなに美味と薦められてもなかなか手をつけにくいものだが、せっかくたくさんの寮生のなかから選ばれて日本文化を体験する貴重な機会を得たのに、トライもせず敬遠するなんてもったいない話だ、と雑食の権化たる私は思う。遊園地のジェットコースターなどにはもの怖じすることなく嬉々として挑戦し、和室に布団敷きでも熟睡し、自動洗浄トイレも「こんな気持ちいいとは思わなかった」とすっかり気に入り、住環境にはたやすく適応していった彼女たちだが、食文化というのは実に根深いものである。

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浅草寺で『大吉』のおみくじを引いて喜ぶメー・センヌワンさん


しかし、これまで訪日した女子寮生の誰もがなし得なかった快挙を、今回、チンタナー・シースワンさん(19歳)が達成した。里親の女性に連れていっていただいた温泉に、ちゃんとすっ裸になってつかったという。人前で水着になることさえ拒む彼女たちにとっては、清水の舞台から飛び降りるぐらいの勇気である。えらい! 


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海をはじめて見てはしゃぐ.


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浴衣をプレゼントされて大喜び。

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プロフィール

三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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