さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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入寮試験

2009/01/28 19:14 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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来訪したお客様と写真を撮る寮生たち。





はやいものでタイの学校の学期もあと1ヶ月ちょっとで終了だ。そして来年度の新入寮生が応募にやってくる季節である。

昨年秋からの国際金融危機と景気の後退で、さくらプロジェクトも運営予算はあまりなく、来年度はあまり多くの新規入寮生を受け入れることはできそうにないが、そんなこちらの事情はおかまいなしにというか、いやタイだって景気が悪いからこそというべきか、今年も連日入寮志願者が応募にやってきている。

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入寮選考会では特技の披露もある。

さくらプロジェクトの場合、入寮希望者にはまず 所定の応募フォームに必要項目を記入させ、写真や前の学校の成績証明書、戸籍の写しなど必要書類を添付して提出してもらう。書類の受理と同時に、その場で担当スタッフの簡単な面接によるスクリーニングが行われる。さくら寮の応募資格は、村や歩いて通える範囲内に十分な教育施設がないこと、そして貧困であるということなので、親が自力で子どもを学校に行かせられる財力ありと判断された場合は、3月に行われる選抜試験には進めない。応募用紙の収入欄は自己申告制だが、自家用車で乗りつけてくる見るからに裕福そうな保護者などは一目瞭然である。子どものほうも、親に無理やり連れられてきたものの、入る前から学校なんていきたくないと泣きわめく男子、入寮と同時に髪の毛を茶色に染めそうな不良娘風などさまざまで、この面接審査と書類選考により半数以上の応募者はカットされる。

先日やってきた応募者は、チェンセーン郡に住む3人のモン族の女生徒。仮にA、B、Cとしておこう。Aは中3で、BとCの二人が中1。同じ村の友達同士かと思ったら、全員姉妹だという。ってことは年齢の同じふたりの中1生は双子? でもあんまり顔似ていないぞ。二卵性か。とりあえず3人まとめてインタビューを開始した。中1のBとCに聞く。

「えーと、君たち本当に姉妹なの?」

「はい。姉妹です。ただ、お父さんは同じですけど、お母さんは別々です」。

「ん? お父さん、再婚されたの?」

「いえ、今もふたりのお母さんが父と一緒に暮らしています」

ああ、やっとガッテン。奥さん二人いるわけね。モン族にはよくある話。一人がミヤルアン(本妻)の子で一人がミヤノイ(第二夫人)の子。でも、このふたり、誕生日も3日しか違ってないって、おいおい、オヤジ、がんばりすぎだー。(うらやましい)
応募書類に家族全員の名前や年齢を記入する欄がある。そこを見てさらに驚きの事実が。

父、母。祖母に始まって本妻の子ども8人、ミヤノイの子ども7人。長男の妻とその子どもたちも合わせると総勢25人の大家族である。上は25歳から下は10歳まで、ほぼ1年に一人のペースで子どもを生産しているではないか。

ちなみにさくらの応募書類には家族の構成員を書く欄は15人分しかないので書ききれず2枚の応募用紙をつなぎあわせてある。
モン族はもともと大家族制で、同じ屋根の下に数世帯、20人~30人が一緒に生活することもけっして珍しくない。50人を超える家族の例もある。労働力を分散させず、共同作業で畑仕事を行うので効率よく富を蓄積、分配できるというわけである。合掌造りでおなじみの飛騨の白川郷のようなものか。

今も学校に通っている兄弟姉妹は10人いて、村から約8キロ離れた学校にお父さんが自家用ピックアップトラックの荷台に乗せて子どもたちを送迎しているという。

「ん? なら無問題じゃん。トラックがあるなら5人だろうが10人だろうが、かかるガソリン代に違いはないし。家から学校に通えるなら、なんでわざわざ寮生活する必要があるわけ?」

「子どもがいっぱいいるから、生活が苦しいんです。学費だって食費だって大変で。だから支援を受けたいんです」

ま、貧乏人の子だくさんというのはわかるけど、奥さん二人もあって、ピックアップトラックももってりゃ、かなり甲斐性がある部類だろうが。長男ももうすでに成人してちゃんと仕事してるというし。子どもが多いと食費も教育費もかさんで大変なのは想像に難くないが、排卵誘発剤によって期せずして6つ子ちゃんを生んでしまったお母さんというのならともかく、奥さん二人フル稼働させて15人の子どもって、これ、ある程度計画的なんじゃないっすか? こういった家庭を貧困層として支援するのはいかがなものか、などとまだ一人の妻さえ娶っていない私が言うと僻みに聞こえるであろうか? ならば、低所得のため子どもどころか結婚もできないとあきらめている日本全国の派遣労働者のみなさんの立場は…。

応募してきたのはとても礼儀ただしく、しっかりして利発そうな少女たちだった。支援してあげたいのはやまやまだが、妻二人というのがやっぱ、ムカつくっていうかあ…(私もしつこいなあ) 。

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入寮選考会。筆記試験の様子。
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プロフィール

三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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