さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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超自然現象

2007/07/09 23:06 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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IMG_7124.jpg  
一周忌のお墓参り。カトリック信者だったジョイさんは、さくら寮の近くにあるカトリックの墓地に埋葬されている。



7月9日はジョイさんの命日である。さくらプロジェクトの現地代表スタッフであり、優秀な料理長であり、そして何よりも寮の子供たちの母親代わりとして大車輪の活躍でさくら寮を支えてくれていたジョイさん(ヌッチャナート・ロンチャイカム)が、慢性腎不全のため34歳の若さで亡くなったのは、昨年の7月9日のことだった。

前日の8日の日曜日、朝から寮生、スタッフ全員で一周忌のお墓参りをした。ジョイさんの家族や親戚の人々10名、ジョイさんの彼氏だった中国人のHさん、それにさくら寮を訪問中の里親のHさんと大学生の息子さんも一緒に参加してくださった。

 私は唯物論者であり、宗教心も薄く、まじないや占いにも興味はなく、基本的には科学と現代哲学しか信じない。しかし、シンクロニシティー(奇妙な偶然の一致)の類はよく体験し、神秘主義によろめきそうになることもある。

以前、ナーン県のモン族の村で葬式が行われていて、その儀礼の様子を見学させてもらったときのことだった。喪主の許可を得て遺体の安置された祭壇のあたりを撮影しようとしたとき、不可解な事が起こった。私のカメラと同行していた友人のカメラ(ともに日本の有名な光学メーカーのもの)が2台ともほぼ同時に作動しなくなってしまったのだ。私たちのカメラは、葬儀の場所を離れると、ごく正常に作動し始めた。

神聖な場所やタブーに属するものを撮影しようとしてシャッターが切れなくなる現象は、タイの山ではこれまでしばしば体験した。アカ族の村で葬儀の様子や遺体の入った棺を撮影しているとき、しばしば写真機のトラブル、フィルム現像時の異常(フィルムが真っ白に感光したり、白い帯状の筋が入ったりしている)などのアクシデントに見舞われたことがあった。カメラのメカニカルなトラブルは、こういった状況で写真を撮る側の精神的なコンディション(緊張や潜在的な恐怖)も操作ミスの一因になっているかも知れず、安易に霊現象のような解釈に結びつけるつもりはないが、山の村では、偶然にしてはあまりにも不思議な現象がしばしば起こる。

さてジョイさんの話に戻ろう。

まず7月5日の夜、志賀の部屋の横にカマキリが現れた。カマキリはジョイさんが亡くなった直後にも私の浴室に現れた。1年ぶりのことである。カマキリがこの時期に発生するのはたまたまカマキリの生態のサイクルであって、別に不思議でもなんでもないのだろうが、ちょうど同じ頃、チェンラーイから数千キロ離れたさくらプロジェクト日本事務局の複数のスタッフの家にも現れている。モン族の言い伝えではではカマキリは死者の化身だという。私たちはカマキリがジョイさんの化身であることを疑わなかった。もしかしたら自分の命日を忘れられているかと心配して、事前に知らせてくれたのだろう。ジョイさん、大丈夫、ちゃんと覚えているから。でも、ちょっとせっかちだったジョイさんらしい心配りだ。

 さて、7月8日のことである。雨期の真っ盛りなのに、この日は朝から晴天だった。

寮生全員でお墓の掃除をし、全員が揃ったところで蝋燭をともし、献花し、手を合わせ
た。

 お墓参りが終わると、全員寮に戻って、ジョイ・メモリアルガーデンの除幕式を行った。これは昨年ジョイさんの思い出として交流会館横で造園作業が始まったバリ風庭園である。やっと草木が生えそろい、ジョイさん一周忌を記念してオープンにこぎつけたのである。

ガーデンのオープン・セレモニーが始まったのは午前11時ごろだった。日本に行ったデッスリチャイ・エウがジョイさんの思い出を語り、私が開会の挨拶をし、最後にジョイさんのお母さんがお礼の言葉を述べられ、ジョイガーデンのテープカットをしていただいた。

IMG_7149.jpg
 



テープカットが終わったその直後、不思議なことが起こった。

時計の針は、午前11時半近くをさしていただろうか。太陽は私たちの頭上にあった。

誰ともなく上空を見上げはじめ、やがて全員が空を目と口を開いたまま見上げていた。私たちの真上に、私たち下界のさくら寮を覆いつくすように、鮮やかな円環状の虹が出ていたのだ。太陽を取り囲むかたちで、大きな大きな美しい虹が、あたかもこのジョイガーデンを慶び、祝福するように燦然と輝いていた。まるで天女の乗ったマザーシップのように。

朝から晴天で雨も降っていなかったのに、いったいこの現象は何なのだろうか。子供たちもこんなはっきりしたまん丸の虹は見たことがないと言う。まるで天上からジョイさんが微笑んでいるようだった。 除幕式が終わり、全員での昼食会(この日のメニューはジョイさんの得意だった日本風カレーとトンカツだった)が終わるまで、その虹の円環は出ていた。

その後、インターネットなどで調べてみると、これは暈(うん)、日暈(ひがさ、にちうん)またはハローと呼ばれている自然現象であるらしいことがわかった。以下はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』よりの引用。

「暈は雲を形成する氷晶がプリズムとしてはたらき、太陽や月からの光が氷晶の中を通り抜ける際に屈折されることで発生する。暈を生じさせる雲は多くの場合、対流圏上層に発生し氷晶からなる巻層雲や高層雲である。(中略)「太陽や月に暈がかかると雨が近い」という言い伝えが伝わっている地方は多い。低気圧の温暖前線の前方には暈を発生させる巻層雲や高層雲が存在し、暈は低気圧の接近に伴って発生することが多いためである」

この日暈、地域や季節によってはそれほど稀有な現象というわけではないらしいが、あの時間にあの場所で私たちのまさに頭上で起こったということが、私たちにある種の特別な解釈を促すのに十分だった。チェンマイあたりではこの現象は観測されただろうか。ジョイさんのことを抜きにしても神秘的なまでに美しい日輪だった。雨期の狭間、たまに空を見上げてみるのもいいかもしれない。

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その直後に現れた日暈(ひがさ)。

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プロフィール

三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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