さくらプロジェクトのブログ

タイ北部チェンラーイで活動する山地民の子どもたちのための教育支援NGO「さくらプロジェクト」代表の三輪隆が綴るさくら寮での日々

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寮生また日本に行く

2007/04/18 15:59 ジャンル: Category:さくら寮日誌
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桜の花の下で大喜びのジャルニーさん。


4月2日から17日まで日本に帰国していた。4月3日から6日まで、さくらプロジェクト日本事務局の主催により、横浜栄区にある公共施設「アースプラザ」内のギャラリーで私の写真展を開催していただけることになったためだ。テーマはこれまで私が20年間にわたって撮りためてきた「タイ山岳民族の生活と文化」である。昨年、岐阜でも一度やっているのだが、今回は新たにプリントした作品37点も加えたやや本格的な写真展である。

私の未熟な写真で個展なんて恥ずかしい限りだが、新聞などで大々的に宣伝してもらっておいて、誰も見にきてくれなかったりしたらさらに恥ずかしいので、なにか客寄せパンダのようなものはなかろうかと、実力以外で来場者を呼び込む方策をいろいろ考えていたら、あるアイディアがひらめいた。さくら寮の子供たちを数名日本に同行させて、写真展の会場で民族衣装を着て笑顔を振りまいて接客してもらうというのはどうだろうか。ま、早い話が新車発表会などにいるコンパニオン・ガールというような位置づけなのだが、はるばる山岳民族の子供たちが来るのなら、一目会ってみたいものだという里親のかたがたや、精緻な民族衣装に関心のあるかたがたが足を運んでくださって、そのついでに写真も見ていただければという姑息な考えである。

というわけでスタッフ、寮生4名が訪日メンバーして選ばれた。スタッフのカンチャナ・セイハーン(モン族、20歳)、タンヤポーン・スパープポチャナー(ラフ族、21歳)、ジャルニー・ソカク(アカ族、17歳)、それに男子ではただひとり、デッスリチャイ・エウ(ラフ族、18歳)である。ちなみに寮生の訪日はこれが通算5期目である。


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寮生たちは、前半の1週間は写真展のお手伝い役として大和市の里親さんのお宅にホームステイしながら会場に通い、後半はそのご褒美(?)として京都、奈良、大津、岐阜などの観光旅行にご招待するという計画が立てられた。最後の岐阜というのは、私の実家があり、単に私の里帰りにつき合わされるだけなのだが。

4人は、さくら寮で3ヶ月の日本語会話特訓を受けた後、4月1日にチェンラーイを出発した。メンバーのうち最年少のジャルニーはチェンラーイ県の高校生日本語コンテストで優勝した実績をもつが、達者なのはひらがなの読み書きのほうで、たいしてしゃべれるわけではない。

4月2日朝、一行は成田空港に到着した。訪日経験のある寮の先輩たちから、「4月の日本はまだ寒いから防寒着を忘れないように」というありがたいアドバイスを無視して、Tシャツ1枚で空港に降り立った寮生たちは、たちまちその寒さに震え上がった。(今年の4月初頭の関東地方は、例年にない異常な寒波が押し寄せていた)

ところで私自身はここ数年、日本へ行く前に自分に課していることがある。それは毎日1時間以上の散歩をして足腰を鍛えておくということだ。これは減量(日本へ行くとつい、チェンラーイではありつけない和食を飽食することになるので、たった2週間程度の滞在でも間違いなく3キロ以上太って帰ってくるからだ。あらかじめ3キロ太ることがわかっていれば最初から4キロほど減量しておいて心おきなく食い倒れようというメタボリ予防作戦である)のためとハードスケジュールが続く日本滞在を乗り切るための体力づくりが目的である。これについては、日本へ行く前に、寮生たちにも口をすっぱくしてアドバイスしたものだ。「みんな、これから毎日俺と一緒に散歩するんだあ! 日本へ行ったら、なんやかんやで日に10キロは歩くんだぞ。今から足腰を鍛えておかないと、途中へばって、みっともない姿をさらすことになるかんな」

が、寮生たちは私の言葉をはなから信用していない。日本はなんでもオートメーション化されていて、どこにでも歩くことなしにサバーイに移動できると考えているらしい。実際は、東京で働くサラリーマンなどは、電車の乗り継ぎだけでもけっこうな距離を歩く。日本人はタイ人よりもずっとたくさん歩いているのだ。

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ただでさえ最近のタイの人々は歩くのが嫌いである。さくらプロジェクトのスタッフたちも、寮と事務所のたった300メートルの距離をバイクに乗ってやってくるのだ。歩いたり自転車をこいだりするのは、バイクや乗用車を買うことができない貧乏人の卑しい行為であるという固定観念が確立しているのだ。バイクを手にしたら最後、階段以外の道はどこでもバイク一辺倒なのである。

案の定、日本での寮生たちは日ごろの運動不足と脚力の弱さを露呈した。すでにスワンナプーム空港での国内線から国際線への乗り継ぎだけでへとへとである(それにしてもスワンナプーム空港、無駄に歩く距離がありすぎるなあ)。写真展の会場では長時間立っているのに耐えられず、すぐに椅子に座り込み、京都ではもう還暦が近い案内役の女性の先導にもついていけず、1キロ歩いてはゼーゼー、ハーハー言っていた。帰りの新幹線の中では、「おーい富士山が見えるぞ」と私が叫んで起こしてやったのにかかわらず疲れて大いびきをかいたままだった。あんなに富士山が見たいと言ってたのに。まあ、初めての海外旅行で、気疲れしているのはわかるが。かくして次回訪日計画の課題が改めて浮き彫りになった。脚力、体力の増強である。

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さて、岐阜についた頃、寮生たちが「雪を見たい」と言い出した。満開のさくらはもう見飽きたようである。どこまで贅沢なやつらだ。しかもそのさくらだって散りかけている4月も半ばに、いきなりそんな無茶な要望をだされたって。
しかし、そんなわがままな寮生たちの願いをかなえるべく、岐阜在住のT氏のご好意で、ひるがの高原や飛騨の荘川までドライブに連れていてもらえることになった。スキー場ではまだかろうじて雪が残っていたのだ。

生まれてはじめて雪をみた寮生たちは感激していた。ジャルニーが紙コップを持ち出し、それに雪を詰め、バッグに詰めようとしていた。タイにいる妹にお土産にもって帰るのだそうである。さすがに他の寮生たちから「雪が何でできているのか、わかってんのか」とつっこまれて、失笑を買っていた。

なお、写真展のほうは連日なかなかの盛況であった。協力してくださったみなさんに、感謝、感謝である。

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プロフィール

三輪隆

Author:三輪隆
1955年岐阜県生まれ。写真家・文筆家。タイ在住26年。さくらプロジェクト代表。

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